涙の蛇口

 

錆び付いていた
感情の蛇口が
やっとひらいた


そのあふれる水は
黒く濁っていた
汚れていた


こんなにも長い間
使っていなかった
この涙と云う水が

体の泉を浸していった

 

いつまでもいつまでも
流れるまま
ほおっておいた

このまま少しずつでも
透明な青を
取り戻してゆくのだとしたら

どんなに長くても
それまでは泣き続けて・・

 

泣き続けていればいい

 

いつか自分の力で
その蛇口を閉められる日まで ・・

 

泣きたかったのだ


泣いてしまえない命は
どんどん重く苦しくなってゆくことを


今まで知らなかった

 

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肩の力を抜いて

 

作り立ての歌を持って出かける
歩きながら聴いてみる
ラッシュにでくわして
髪もバッグも
くしゃくしゃになりながら
日が暮れて
あの駅で降り
あの店に落ち着く

コップの水が
ノートに一滴落ちる
滴は広がる
乾くのを待ってる

歌をとめる

一人の足で歩きたかった
誰の手もかりず
ここまで来た

肩の力を抜いて ・・

 

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ほっとした
猫の背中のように